【スタンド考察】ディアボロのキング・クリムゾンを解説!

キング・クリムゾン/King Crimson

破壊力:A
スピード:A
射程距離:E
持続力:E
精密動作性:?
成長性:?

ディアボロとキング・クリムゾン

キング・クリムゾン

キング・クリムゾンのスタンドパラメータ

キング・クリムゾン

本体名:ディアボロ
帝王はこのディアボロ

時間を消し飛ばす帝王のスタンド

破壊力:A
スピード:A
射程距離:E
持続力:E.
精密動作性:?
成長性:?


イタリアを裏から牛耳るギャング組織パッショーネのボスのスタンド。
自ら発掘した「矢」で目覚めたと思われる。
元ネタはイギリスのプログレッシブ・ロックバンド、キング・クリムゾン(King Crimson)から。

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能力は「自分の周囲の空間の時間を吹き飛ばし、運命回避を行う」。

額にスタンドの顔を小型化したような顔面が付いており、全身を格子のような模様にに覆われている人型、近距離パワー型スタンド。

自分を中心とした、能力の射程数百メートルの「時間を10秒程度吹き飛ばす」。

時を飛ばすキング・クリムゾン


この範囲内に含まれた生物・非生物問わず、「時間が吹き飛び」、その間に起こったことを認識できない。

炎は自身の揺らめきに気づかず、雲は流れていることに気づかない。

射程内の存在は、過程を認識することなく結果だけが忽然と現れたように感じる。
近くの猫がいつのまにか自分の足を踏んで通り過ぎ、チョコを奪い合って喧嘩したつもりがチョコを食べていて、ディアボロを見つけたと思ったら影も形もなく消え失せている。

時間を吹き飛ばす」とその空間にいる存在は過程を気づけなくなるが、ディアボロにそれは当てはまらない。
そして、ディアボロは「時間を吹き飛ばす」と、唯一「運命」から逃れることができる。
逆に、「運命」に縛られている通常の事象は全て、吹き飛ぶ直前の行動をトレースして進行する。


このため、ディアボロはキング・クリムゾンを発動することで必ず収束しどうにも避けようのない「運命」を避けることができる。

時間が吹き飛んだ」世界は黒く塗りつぶされ、フレームアウトしていくかのように砕け散り消えていく。

キング・クリムゾン!我以外の全ての時は消し飛ぶッ!

その中で人間は軌跡を残しながら行動していくため、飛んでいる時間の行動が残って見えるため、ディアボロは全てを見据えて行動できる。

0.5秒時を飛ばした。過程は消し飛び、結果だけが残る

また、「時間が吹き飛んで」いる間、ディアボロは全てを透過してしまう。
このため、キング・クリムゾンを発動している間、攻撃をすることができない。
キング・クリムゾンの攻撃方法は時間を吹き飛ばしている間に血液で目潰しを行うか、標的の背後に立って、効果時間が切れた瞬間に死角から攻撃するのみである。

ブチャラティを倒すボス

ディアボロは「時間を吹き飛ばし」ている間、物質を透過するが、透過したまま効果時間が切れると、重ね合わさった状態になってしまい、自身がダメージを受けてしまう可能性がある
このため、能力発動中であっても、慎重なディアボロは攻撃を避けるようにしている。

唯一賭けに出たのは、エレベータ内でブチャラティからトリッシュを奪う時のみである。
能力発動でエレベータ内に入り込み、速やかに攫うためにトリッシュの手首にキング・クリムゾンの手を差し込む。
能力解除した際に、運良くトリッシュの手首側が切断され、再度キング・クリムゾンを発動してトリッシュごと逃亡した。

なお、キング・クリムゾンで誰かに触れた状態で能力を発動すると、触れた相手もディアボロの一部と見なし、「運命」回避、物質透過の状態へ引きずり込める。
しかし、触れた相手はキング・クリムゾンを所持していないため、「時間が吹き飛んだ」世界に対応できず、気を失ってしまう。

これを利用して引きずり込んだ物質透過状態のナランチャを鉄格子と「重ね合わせ」たのち、能力解除することで鉄格子を貫通させ、殺害した。




また、キング・クリムゾンはその額の目を通すことで第2の能力、エピタフを発動させる。

この能力は自分に襲いかかる「約10秒後の「運命」を見通し、投影する」。

ドッピオのエピタフ

ジョジョ世界において、人は「運命の奴隷」である。
このため、エピタフで見た光景は必ず実現する。
どんなにあがいても必ず起こるが、キング・クリムゾンによって「時間を飛ばす」ことでのみ、自身の運命を回避することができる。





時間を俯瞰するもう一つの時間軸へ跳躍

能力の本質は「自分を中心とした空間を虚数時間軸方向へ跳躍させる」。

ジョジョの奇妙な冒険のスタンドの中で議論が起きるスタンドの1つがキング・クリムゾン。
ディアボロは自身の能力を「時間を吹き飛ばす」と理解しているが、人間1人のスタンド能力で全世界、全宇宙の時間を約10秒飛ばす力はない。

キング・クリムゾンが行っているのは、自分とその周囲の空間を虚数時間軸方向へ跳躍させることである。

虚数時間軸がどんな次元を示しているのか、それは不明である。
が、例えていうと、横軸を実時間軸とした時、キング・クリムゾンは「現在」から縦方向に跳躍し、放物線を描いて「約10秒後」に着地する。

虚数時間軸は量子力学で言うところの「場の振動」が起きている次元である。。
この軸に跳躍しているディアボロは、確率的に一番起こりやすい作用を観察することになる。

このとき、通常であれば実時間軸に乗っている自分には見ることのできない「現在」から「約10秒後」までを一連の流れとして観察できる。

これは、川の上にいるときは自分の周囲しかみえないが、上空から眺めれば遥か遠くまで川の流れを一望できることに似ている。

スティッキィ・フィンガーズの軌跡が見える

消し飛んだ時間の未来の流れが見える

これにより、キング・クリムゾンは時間跳躍している間の周囲の動きを、全ての時間が同一に存在する「一連の軌跡」として観察ができる。
その上、時間の流れから離れているので空間的な制約や降りかかる「運命」から自身を回避できる。

時間跳躍中の空間は全て基本時間線からズレを起こし、キング・クリムゾンを持たないものは虚数時間軸に慣れず気を失う。
ただし、稀に精神力の高いものが極度に集中しているとき、そのキング・クリムゾンの時間跳躍を感じ取ることができる。

ブチャラティがディアボロを暗殺しようとしたとき、柱の陰にいたのは自分だった!という現象がある。
これは、時間跳躍の中で一瞬だけ意識を保ったため、「柱の前にいる自分から、10秒の間に柱に回り込んだ自分」を同時に感じ取ったために起きた現象である。

過程が消し飛んで混乱するブチャラティ

鉄柵に貫かれるナランチャも、キング・クリムゾン発動と同時に鉄柵まで投げ上げられ、鉄柵とナランチャが「重ね合わ」される。
虚数時間軸から実時間軸に戻った時、ナランチャは鉄柵にぶち抜かれている、という「現実」に収束したのだ。
このとき、重ね合わさった肉体が鉄柵に負荷を与えた結果、肉体に穴が開き、鉄柵は折れる、という結果を残した。

消し飛んだ時間で物質と重ね合わせるとヤバい。ナランチャの死

また、エピタフも視線だけを時間跳躍させ、着地点の「自分」を見る能力といえる。
なので、エピタフ発動時の視点は自分の視界ではなく、神の視点、客観視点で自分を見ることができる。



さて、ここまで虚数時間軸について説明せず、時間にもう1つの直交した軸があることでキング・クリムゾンの能力が実行可能であることを説明した。

ここからは推測であるが、虚数時間軸について述べる。
ヒントはD4C。
ファニー・ヴァレンタイン大統領のスタンド、D4Cは多数存在する並行世界に移動する能力である。
これこそ、空間の虚数軸方向に伸びて存在する、互いに干渉しない世界である。

とすると、キング・クリムゾンの虚数時間軸は同一の世界で起こり得た可能性世界である。
つまり、キング・クリムゾンは「運命」に干渉されるはずの世界から跳躍し、「運命」を回避した別の世界を主要世界として切り替えている、とも言える。





悪魔の申し子、運命から逃れようとする男

産まれからして異様なディアボロは生まれながらの邪悪であり、何巡としていく宇宙を蝕むバグであった。

ジョジョ世界の宇宙の歴史を樹木で例えると、たくさんの可能性を伸ばしながら前進していく「運命」の枝葉で生い茂る「世界樹」のようなものと言える。

ディアボロはこの「世界樹」の枝葉を、能力発動させるたびに歪ませ、自分の都合のいいように間伐していることになる。

「運命」はバグであるディアボロを排除しようと幼少の頃から「運命の修正力」が働き、ディアボロ少年に惨事を起こし続ける。
ディアボロは気の弱い少年であったが、いつしかその邪悪性に気づき、「運命」を乗り越えて頂点に立ち続けることを決める。

「運命」から身と名前を隠し、無害な人格を創り出し、そしてついに「」と邂逅する。

ディアボロにとって「運命」とは敵であり、かわし続けてきた。
「運命」のもたらす惨事をキング・クリムゾンとエピタフでかわし続けたディアボロは、王への道を辿るべくギャング組織パッショーネのボスへと登りつめた。

常に絶頂、失敗を避け続けるボス

しかし、「運命」をかわしても歪になりながらなお、奴隷であるように仕向けてくる。
「運命」を受け入れ、強大なボスを打ち倒すと望み、「運命」の意味づけを変えていくもの。
それこそが、「眠れる奴隷」から目覚めた「黄金の精神」である。



世界樹」の修正力を得たゴールド・エクスペリエンス・レクイエムに倒されたディアボロ。

これを、「過程」を飛ばして都合のいい「結果」を追い求めたディアボロが「永遠に真理にたどり着けない」、「過程を永遠に繰り返すゴールド・エクスペリエンス・レクイエムに倒された、という解釈を良くされている。

しかし、荒木先生の「人間讃歌」はきっとこうだ
物事を持って生まれた「運命」や周囲の状況のせいにせず、正義の心で物事を捉えて誇り高く生きよ。
そこに意味がある。

残酷であるが心強い、この人間讃歌が好きだ。




出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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4 件のコメント:

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    透過に引きずり込める…なかなか興味深い考察ですが、柵は折られているので普通に刺したのでは?

    返信削除
  2. SECRET: 0
    PASS:
    ��であぼろさん
    コメントありがとうございます
    普通に刺したという解釈も全然ありだと思います☆
    たしかに柵が折れてるところまで考察しきれてないですね!
    僕の考察はキング・クリムゾン発動中、ディアボロは物体にも生き物にも干渉できない、というのが根本にあります(^∇^)
    なので、キング・クリムゾン発動後に刺したわけでも、発動中に刺したわけでもなく、発動中に透過させた、としました♪
    柵が折れてる理由については再考察してみますね☆
    ご意見ありがとうございます!

    返信削除
  3. SECRET: 0
    PASS:
    はじめまして。
    ロバート・フリップ卿率いるキングクリムゾンが好きなのと、何となくムンクの「叫び」に描かれている怪人っぽいデザインが好きなスタンドですね。最後は幽遊白書の戸愚呂兄のような運命になったのが何とも哀れでしたが....。ところで、実際の対戦があったと仮定して、ザ・ワールドによる時間が止まったとされる時空をキングクリムゾンは認識出来るんでしょうかね。時々考えることがあります。

    返信削除
  4. SECRET: 0
    PASS:
    ��fudou-kyoutarouさん
    コメントありがとうございます!(^∇^)
    僕はジョジョからキング・クリムゾンはハマりました。
    耳に残るいい曲ばかりだと思います。
    確かにムンクっぽいですねΣ(゚д゚;)
    ディアボロの最後は
    物語としての運命を回避できるディアボロと、人に定められた運命という五部のテーマをなんとか1つの着地させた、という気がしてます(°∀°)b
    僕の考察ではザ・ワールドは極小時間での行動、なので超スピードなんてちゃちなもんじゃあない、超超スピードです(笑)
    なので、キング・クリムゾンで時を飛ばしても、ディアボロにDIOは認識できないでしょうね(^O^)

    返信削除

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