【スタンド考察】スコリッピのローリング・ストーン(ズ)を解説!

ローリング・ストーン(ズ)/Rolling Stones

破壊力:なし
スピード:B
射程距離:A
持続力:A
精密動作性:E
成長性:なし

スコリッピのローリング・ストーン(ズ)


ローリング・ストーン(ズ)
ローリング・ストーン(ズ)のスタンドパラメータ


ブチャラティの彫られたローリング・ストーン(ズ)

本体名:スコリッピ
スコリッピ

死ぬ運命にあるものを安楽死させるスタンド

破壊力:なし
スピード:B
射程距離:A
持続力:A
精密動作性:E
成長性:なし


彫刻家スコリッピが持つスタンド。
生まれつきのスタンド使いと思われる。
元ネタはイングランドのロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)から。

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ローリング・ストーン(ズ)は「」の字の掘られた、直径50センチ程度の石製の球状をしている、能力顕現物質型・遠隔自動操縦スタンド。

能力は「近い将来、死の運命にある縁者に安楽死を与える」。

本体のスコリッピに何かしらのある人物のうち、近い将来に「死の運命」にあることをローリング・ストーン(ズ)が察知すると、自動的にその人物のそばに現れる。

ミスタのそばに突如あらわれたローリング・ストーン(ズ)

ローリング・ストーン(ズ)の見た目は石で出来た単なる球だ。
一般人にも見て触れられることから、「運命」というエネルギーとスタンドエネルギーによって顕現、実体化しているものと考えられる。



この石は発動した瞬間から、スコリッピの意思と関係なく自動的に、標的とした人物の追跡を始める。
スーパーフライやシルバーチャリオッツ・レクイエムのような独り歩き型のスタンドである。

本体の操作を受け付けず、標的を追い続ける遠隔自動操縦型

移動速度は石の転がる速度程度なので早くはないが、ある程度離れると標的近くに転移するようだ。
また、射程距離は非常に長く、数キロ四方はあると思われる。

そして、「死の運命」にある人物がローリング・ストーン(ズ)に触れると、死の痛みを感じることなく、安らかに死亡する。



効果の有効範囲は非常に広い。
作中においてもスコリッピの恋人の父親が相談しに行った、スコリッピと直接面識のないブチャラティにも「縁がある」と判定され、スタンド能力が発動した。

ローリング・ストーン(ズ)は物理的な衝撃やダメージで崩れていくが、中からはまるで「既に掘られていたかのような」標的の人物の死の間際の姿が彫像として現れる。
そして、彫像として姿が現れる頃には、よりパワーもスピードも増して、積極的に飛びかかってきたり、壁抜けまでしてくる。

運命とは石の中に既に彫られた石像のように決定されている

逆に、ローリング・ストーン(ズ)の有効範囲内にいながら、死の彫刻が現れていない人物がローリング・ストーン(ズ)に触れてもなんの影響も及ぼさない。
ローリング・ストーン(ズ)も無視して標的に向かう。

この自動的な追跡を止める方法はなく、どんなに距離を開けても、部屋に閉じ込めても、人が押さえ込んでも、必ず追いついてくる。
唯一追跡を止める方法はローリング・ストーン(ズ)の破壊しかないように思われる。

が、ローリング・ストーン(ズ)が「死の運命」を操っているわけでもなんでもないので、破壊したところで死の運命にあるものが生き残れるわけではない。

ローリング・ストーン(ズ)は「死の運命」を早めるだけであり、破壊したところで「死の運命」は予定通り変わらないのだ。
しかし、ローリング・ストーン(ズ)は標的の人物が死の間際に受けるであろう苦しみから解放し、安楽死を与えることができる。
そして、残された家族へは吉良、祝福を与える。

人は皆、運命の奴隷。
運命に従う楽な道を選び、犠牲によって成り立つ利益で生き残るのか。
運命を選択し、苦難の道を選び、暗闇の荒野を歩んで行くのか。

スコリッピは後者の道を行くミスタたちに賛辞を送った。





永劫回帰する運命の象徴のような能力

能力の本質は「近い将来に死の運命が訪れるものを感知し、慈悲の救いを与える」。

ローリング・ストーン(ズ)の能力の根本は運命の奴隷への救いである。

ブチャラティの死という確定した運命を浮き彫りにするローリング・ストーン(ズ)

運命の奴隷は、どんなに努力をしても、決して運命を覆すことができず、従うしかない。
よって、預言された「死の運命」にあるものは死ぬしかないのだ。

そこで、運命を覆すことはできないが、せめて死の苦しみを肩代わりして救いを与える。
それがローリング・ストーン(ズ)。

しかし、それも運命改変の可能性がある。
ジョジョ世界において、運命を勝手に変えることは「岸辺露伴は動かない」のいくつかのエピソードに記されるように、大きな責任を問われる。



そこで、ローリング・ストーン(ズ)は能力の動力源に「運命の揺らぎ」を活用する。
バイツァ・ダストの中で必ず繰り返される事象とそうでない事象があるように、「死の運命」にも数日から数週間程度の振り幅がある。
この振り幅、揺らぎを利用して死を先払いすることで、「運命の揺らぎ」の範囲内での運命改変と、苦しみからの解放と死後の周囲のものへ利益を与えるだけのエネルギーを得る。

観点を変えると、ローリング・ストーン(ズ)は運命に定められた人類の「集合無意識」、「世界樹」を巡回し、より効果的に育つようにする剪定者と見ることができる。
この能力はまるで、枯れゆく枝を早めに剪定することで、周りにより栄養が行くようにしているかのようである。



ローリング・ストーン(ズ)はスコリッピのスタンドエネルギーで形成されているのではなく、その時その時の「死の運命」を抽出して凝固させた物質で顕在化している。
だから、標的に近づくほど内部から死の姿が現れる。
また、距離が離れるなら「世界樹」の次元へ潜り、物理的な制約を乗り越えて顕現する。

運命を変えようとしても変えられない。どころかアバッキオとナランチャの死の運命までも決定付けてしまった


ローリング・ストーン(ズ)は標的の人物に触れることで、凝固させた「死の運命」を注入し、速やかに死を与える。
ローリング・ストーン(ズ)は「死の運命」の揺らぎの一部であり、これを破壊した程度では運命を覆すことはできない。

しかし、その一部をミスタが破壊したことで、運命は覆らずとも、その後の「流れ」が変わった。
本来、河の流れに小石を投げ込む程度の影響でしかなく、大きく流れが変わることなどあり得ない。

しかし、その先には「運命の世界樹」を自身の良いように食いつぶすディアボロと、黄金の精神を持つジョルノという2人の特異点がいたからこそ、小さな波紋が大きな流れに波及したのである。

運命の一部が変わったことで、バタフライエフェクトのように、流れが様々なところに波及した。
ブチャラティに訪れる死が数日遅れ、
ナランチャアバッキオに死が運命より早く訪れ、
ディアボロは閉鎖時空に封印された。



たしかに、ナランチャアバッキオはローリング・ストーン(ズ)が破壊されることで死が早まった。
しかし、ミスタの精神が波及し、何も気づかぬままに死ぬのではなく、2人はいつか目覚める眠れる奴隷となったのだ。
事実、2人は早逝であったが、その人生において価値のある気づきをして、運命から目覚めていた。
そして、彼らは早く死ぬと分かっていても、ミスタと同様に、ブチャラティのためにためらいなく行動したことだろう。

もしブチャラティが運命通り死んでいたら、ジョルノはこの時点でギャングに加入することなく、ディアボロが勝者となっていたことだろう。





キリストを模したスコリッピ

本体のスコリッピは茨の冠、12枚の木札、両手に穴を穿たれるなどから、イエス・キリストを模していると推測される。

スコリッピも運命論者であることから、キリスト教の運命予定説を体現している存在と思われる。
これはキリスト教の思想の一つで、神の救済を預かるものと、そうでないものは予め運命に定められており、努力や善行と関係がない、とする説である。

キリスト教は奴隷宗教、弱者を救う宗教。
スコリッピは本質的に人を救うことしか考えておらず、ミスタから暴力を振るわれても何をされても淡々と、恨みも怒りも持たない。

その異質さに、逆にミスタが恐怖を覚えている。
救いを与えることを求めているのは、プッチ神父に近いかもしれない。
スコリッピはおそらくローリング・ストーン(ズ)によって多くの変えられない死を体験してきたのだろう
運命を変えようとしたことも一度ではないはずだ。

キリストのような見た目のスコリッピ

決して覆すことができなかった運命。
苦しみからせめて救おうと発現したのがローリング・ストーン(ズ)。
救い。
それは痛みと苦しみからの解放。
そして、「無意味な死」から、自ら犠牲になることでな恵みを与えられるという、キリストのような「意味ある死」に救っているというのに、スコリッピはなぜ重く暗い表情なのだろうか。

どこかで犠牲の上に成り立つ意味を手放しで喜べないことが、わかっているからではないだろうか。

より苦難の道であろうとも、自分の信念を貫き、犠牲ではなく全てを得る覚悟の元に行動する。
これこそ、黄金の精神。
運命の眠れる奴隷は目覚め、流れを変えて行く。
この世代で変わらずとも、世代を超えてこの影響は波及していく。

運命から目覚めたものを送るスコリッピ


運命への捉え方は人それぞれ。
運命の眠れる奴隷として、平穏な人生を望む吉良吉影
他を犠牲にしてでも運命を変える覇道DIOディアボロ、大統領。
運命に立ち向かい、覚悟を持って貫き通すツェペリさん、プッチ神父
誰もが芯があり、カッコイイ。


出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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4 件のコメント:

  1. SECRET: 0
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    こんばんは!
    眠れる奴隷は、作中好きなキャラクターを亡くして苦しい思いをしている読者へ、荒木先生からの癒しのエピローグだと受け取っています。
    タカウチさんの考察を読んでまた、泣けてきました(:_;)

    返信削除
  2. SECRET: 0
    PASS:
    ��pinopino19800927さん
    たしかにフーゴやブチャラティが出ていて読んだ時は嬉しかったです☆
    眠れる奴隷を含めて五部は完了だとおもっています。
    全てが定められた運命だとしても、人生をかけて行動することで気高い精神が呼び起こされていく。そのストーリーが美しいと思います( ´艸`)
    いつもコメントありがとうございます(^∇^)

    返信削除
  3. 実際にやっても無駄は無駄だったけどな。
    過程なんぞ役に立たないなら結果だけあれば現実には勝者だ。ディオも同じだが敗北したし、単に5部は運命が勝てる側が過程を彩っだだけでしかない

    返信削除
  4. コメントありがとうございます😊
    結果論、運命論に対しての荒木先生の答えが眠れる奴隷のエピソードに表れていて、僕は好きです。
    人生の価値はそこにあるんじゃないかって僕も信じています。
    この辺はいつか荒木先生に直接お聞きしたい!

    返信削除

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