【スタンド考察】ホット・パンツのクリーム・スターターを解説!

クリーム・スターター/Cream Starter

破壊力:D
スピード:C
射程距離:C
持続力:A
精密動作性:E
成長性:B

ホット・パンツのクリーム・スターター

クリーム・スターター

クリーム・スターター

本体名:ホット・パンツ

ホット・パンツ

肉をクリーム化する能力

破壊力:D
スピード:C
射程距離:C
持続力:A
精密動作性:E
成長性:B

ジョジョ7部、SBRに登場する騎手、ホット・パンツのスタンド。
「悪魔の手のひら」にて発現したと思われる。
スタンド名の元ネタは不明。
イギリスの伝説的バンド、クリーム(Cream)と、イギリスのテクノバンド、プロディジー(The Prodigy)の楽曲、ファイヤースターター(Firestarter)からと推測されている。
本体名の元ネタはアメリカのソウルシンガー、ジェイムス・ブラウン(James Brown)の楽曲、Hot Pants (She Got to Use What She Got to Get What She Wants)から。
愛馬ゲッツ・アップの元ネタもジェイムス・ブラウンの楽曲、セックス・マシーン(Get Up (I Feel Like Being Like A) Sex Machine)から。



能力は「触れた肉をクリーム状に変質させ、放射するスプレー缶」。

ホット・パンツが二丁拳銃のように持つ、2本のスプレー缶の形状をした能力顕現物質型スタンド。
サイズは約10センチ程度で、大きめの香水スプレーのようである。

クリーム・スターターは「悪魔の手のひら」によってスタンド使いとなったタイプに良くあるように、「道具」の影響を大きく受けている。

ホット・パンツが「悪魔の手のひら」に侵入した際に香水スプレーを持っていたためか不明だが、クリーム・スターターは2本のスプレー缶として完全に物質化している。
このため、スタンド使い以外の人物にもクリーム・スターターは見えるし、触れる。

クリーム・スターターはホット・パンツ本体の筋肉、血管、神経などの生体組織をクリーム状に変質して、スプレーのノズルから噴射することができる。

男のフリをしているホット・パンツ

この噴射は10メートル以上の射程距離を持ち、ホット・パンツの射撃の精密さのためか、かなりの正確性を持つ。
噴射の威力はかなり高く、近距離で直撃すれば腕を切断するほどである。
クリーム・スターターの噴射を続けると、ホット・パンツの肉体は身体の先から溶けて、痩せ細って行く。

噴出先の肉は固まり、ホット・パンツの本体側で失われている腕や手として再構成することができる。
さらにこの手や腕は通常通りに動かすことができるため、結果的にホット・パンツは肉体を分離、遠隔操作することが可能である。

作中でも腕を遠くや背後に飛ばしておくことで、不意を打つことを常道としている。

また、この分離、再構成は本体の全身に適用することができる。
これによりホット・パンツは鉄格子の隙間や狭い水路などを通り抜け、警備の厳しい大統領邸に侵入している。
この肉体の再構成が可能なことにより、ホット・パンツは自身の肉体のダメージをいくらでも修復できる。

クリーム・スターターのスプレーは肉体を再構成させるだけでなく、標的の肉体に粘着質なクリームとして吹きかけることもできる。
この肉クリームは標的の皮膚と同化してしまい、剥がすことが非常に困難である。
ホット・パンツはこれを用いて、相手の口や鼻に肉クリームを詰めることで呼吸を奪い、無力化することを得意としている。

さらに、クリーム・スターターの肉クリームの補充は本体の肉体に限らず、ホット・パンツが手で触れている相手の肉体をクリーム化して補充することが出来る。
これにより、触れている相手の肉体を奪うことで痩せ細らせて無力化することも出来るし、健康な部位の肉をクリーム化して怪我している箇所に吹きかけることで治療することもできる。
第7部のヒーラー役である。
この治療であるが、クリーム・スターターが能力顕現物質型スタンドであるためか、ホット・パンツの意識がなくともスプレーのスイッチさえ押せれば治せてしまうようだ。
肉クリームの補充もホット・パンツの手が触れてさえいれば良いようで、気を失っているホット・パンツを尻目にジョニィジャイロは治療を施していた。

クリーム・スターターの肉クリーム再構成の応用として、他人の模倣が出来る。
模倣先の相手に触れることでクリーム・スターターのスプレー缶にその人物の情報が記憶される。
そして、一度だけ肉クリームをその人物の肉体の一部に模倣することができる。
この変身は人相や表情、体臭まで模倣することが出来るようだ。
作中でもルーシーがスカーレットに変身しているが、体格や癖まで模倣できるわけではないため、観察眼に優れているヴァレンタイン大統領にすぐバレている。

最後に、このクリーム・スターターは完全に物質化しているため、スタンド使いである無し関係なく、誰でも使うことができる。
但し、肉体のクリーム化や肉クリームの補充はホット・パンツを介さなければ出来ないため、ホット・パンツ以外の人物がクリーム・スターターで使うことが出来るのは事前にスプレー缶内に貯蔵された分の肉クリームのみである。





万能幹細胞クリーム生成スタンド

真の能力は「肉体情報の取得と万能幹細胞クリーム化」。

クリーム・スターターは香水スプレーという完全に物質化したスタンドヴィジョンを持つ、能力顕現物質型・身体拡張型のハイブリッドスタンド。

タイプとしてはマウンテン・ティムのオー!ロンサム・ミーに似ている。

クリーム・スターターの能力は、ホット・パンツが手で触れた相手の肉体の設計図という構造情報を、瞬時に読み取るものである。
ホット・パンツ自身が触れることで、相手の「知性」に含まれる構造情報を読み取る。
この点は相手の構造を読み取り、新たな生命に変換するゴールド・エクスペリエンスや、相手の記憶を読み取るヘブンズ・ドアー、「大地の知性」を読み取るアンダー・ワールドにも似ている。

そして、この読み取った肉体の設計図はクリーム・スターターのスプレー缶に記録される。
恐らく缶一つにつき1人分記憶できるのだろう。



ここでiPS細胞について簡単に説明する。
まず全ての細胞は元はたった1つの細胞から分化することで生まれている。
その大元の細胞こそ受精卵である。
これと同じ遺伝子を持ち、様々な筋肉や骨、神経、どんな細胞にも分化できる細胞を幹細胞という。

これを元に、日本の山中教授は体細胞を幹細胞に「初期化」する遺伝子を特定している。
これにより、体細胞を幹細胞に巻き戻すiPS細胞が生まれたのである。

これと同様に、クリーム・スターターはホット・パンツ自身、またはホット・パンツの触れた肉体にスタンドエネルギーを注入する。
このスタンドエネルギーを注入された細胞は瞬時にクリーム状の幹細胞に「初期化」され、スプレー缶に充填される。

このクリーム状の幹細胞はクリーム・スターターに記憶された肉体の設計図情報を参照することで、スプレーで吹き付けられた先で高速で分化して指定した細胞組織に成長する。

これがホット・パンツ以外の情報の場合、大抵は吹き付けた箇所の近くの肉体の設計図を基に再構成するため、治療となる。
また、ホット・パンツ本体がクリーム・スターターに指示することでただの肉組織、皮膚組織として再構成させることも出来る。
この余分な肉組織状態の肉は、触れた人物の部位に変形させられる。

作中、ホット・パンツはこの肉組織状態の肉をルーシー・スティールの顔に貼りつかせて、大統領から遺体を奪う作戦を決行させている。
ルーシーが大統領婦人に化けたのも、この肉を大統領婦人に触れさせたから実行できている。

無力化に長けるクリーム・スターター

クリーム・スターターに格納されている情報がホット・パンツ自身のものの場合、ホット・パンツ自身がどこの肉体を再構成させるかある程度操作できるようだ。
また、再構成される細胞組織は身体拡張型スタンドでもあるため、ラブ・デラックスのように遠隔操作もできるわけである。

これにより、片手だけ遠くへ放り投げて遠隔から攻撃させたり、マイク・Oの呼吸器に潜り込んで呼吸できないようにまでしている。

なお、筆者自身としてはこのクリーム状の肉というのは、古い中華風ファンタジー小説の封仙娘娘追宝録に登場する、肉体を粘土化する宝貝、流核晶に似てると思っているのだが古過ぎて誰からも賛同は得られていない。





汝、生贄の羊を捧げよ

ホット・パンツはスティール・ボール・ランレースに参加している騎手であり、ネアポリス王国から送られてきた使者である。
ローマ法王庁に仕えており、敬虔なシスターである。

シスター姿のホット・パンツ

そのシスターが何故、レースに参加しているのかというと、その目的はただ一つ、「贖罪」である。
ホット・パンツは幼少期に弟を喪っている。
姉弟で自然の中で仲良く遊んでいたある日、野生の熊に襲われてしまう。
凶暴化した熊に追い詰められ、洞窟に逃げ込んだ2人だが、子供2人が逃げ込めるほどのスペースがなく、このままでは2人とも食い殺されてしまう。
その時、ホット・パンツは故意か偶然か弟を突き飛ばし、自身だけが助かってしまう。

弟の死を悲しみ、誰もが幼いホット・パンツを責めることなく同情した。
しかし、ホット・パンツ自身は自分が助かるために弟を生贄に差し出したという罪の意識に延々と苛まれ続けていた。
弟を生贄の「肉」として差し出し、ただの肉塊と化させた自分の罪を贖いたいがため、信仰にすがってシスターとなり、死に場所を求めたのか、「聖人の遺体」の奇跡を求めたのか、「悪魔の手のひら」でスタンド使いに目覚める。

クリーム・スターターは非常に応用性の高い便利スタンドであるが、その根本には「贖罪」があると思われる。
能力顕現物質型スタンドを発現するスタンド使いはどこか依存、自分以外の何かを求める精神が強いと思われる。
未来を読むトト神のボインゴもまた自信のない少年であった。
ホット・パンツも芯の部分では弟の死を引き起こした自分自身の許しを求め、自己否定と自己犠牲を続けている。

キリスト教でははるか昔、罪の許しを神に乞い願う際、生贄として羊の肉を捧げていた。
これは生贄の羊(スケープゴート、scapegoat)と呼び、身代わりといった意味を持つ。
すなわち、神に許しを求めて自分の代わりに肉と血を流すのである。

弟という身代わり、生贄の肉を捧げたことで生き残ったホット・パンツは自分の身体を削って肉へと変えるクリーム・スターターを発現させた。

ヒーラー役であり、応用性も高く便利なクリーム・スターターであるが、その芯は悲しいスタンドと言える。


出典:荒木飛呂彦原作 集英社出版 ジョジョの奇妙な冒険

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タカウチにOFUSEする

2 件のコメント:

  1. ステータス間違えてますよそのステータスはマンダムのだと思います

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    返信
    1. コメントありがとうございます。確認して修正しました。感謝です。

      削除

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